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「アキレス腱」のことをなぜ「アキレス腱」などというのか?

   

            

「漢方ファンのページ」より

アキレス腱というのは、周知のように足のかかと、ふくらはぎの筋肉とを結ぶ腱―つまり難しい表現にかえると、腓腸筋と比目魚筋(ひらめきん)とを踵(かかと)の骨に付着させる腱のこと。

いうまでもなく、この腱は人体中最大の腱であって、歩行運動をするにはもっとも大切な部分。また運動選手がここを切ると致命的であることは言うまでもありません。

中国語では、「跟腱」とか。

 さて、この部分の腱の事をなぜ「アキレス」などという名で呼ぶのかについては、いまこそ一人の信者もいませんが、かつてはギリシャ人の宗教であったかの「ギリシャ神話」のなかに、面白い話が載っているから、簡単に紹介します。

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 主としてパルフインチ作・野上弥生子訳「ギリシャ・ローマ神話」によるのですが、アキレウスは―有名なホメロスの「イリアス」の中心人物であり、また西洋古代史上有名なトロヤ戦争におけるギリシャ軍随一の英雄です。
 

 このアキレウスの父親というのは、人間ながら天の主神(ゼウス)の孫にあたるテッサリアの王ペレウスであり、母親は海神ネレウスとドリスのあいだにうまれたティティスというニンフです。

 このティティスは、巨神族といういわば神の社会の名門の出であって、しかも世にもたぐいまれな美女であったから、最初はゼウス自身が目をつけ、自分の妻にしたいと言ったのだが、巨神族の女は父より大きな子供を産むという話を聞いたのでゼウスはあきらめ、ペレウスの妻になった、というエピソードの持ち主でした。

 
このペレウスの妻ティティスが、結婚すると間もなく赤ん坊=アキレウスが生まれました。

 そこで、男子は将来、戦争に出なければならぬので傷を受けることがないようにと願って、彼女はスチュクス河(冥土の境を流れるという、いわば三途の河)にわが子の踵(かかと)のところを指でつかんで、逆さに吊るして浸したのである。その結果アキレスは、かかとのほかはどこも傷つかない、ほとんど不死身の体になったというのです。

 がしかし、反面、アキレスの体のうち、踵だけが水に浸されなかったわけだから、ここが彼の一番弱いところにもなる勘定。

とはいえ、母ティティスのこうした配慮のお陰で、アキレスは成人するとトロイア遠征軍に参加、ギリシャ随一の勇者の声明を馳せ、トロイア勢におそれられました。

 

 たとえば、アキレウスが友人との人間関係からムクれて戦うことを拒否していた時など、彼のいないギリシャ軍はまったくふるわず、トロイア軍に押しまくられてどうにもならない始末でした。

そこでアキレスの友人パトロクロスが、アキレスの鎧(よろい)を借りて出陣してみると、ただそれだけでトロイア勢はおそれをなし、大混乱を起こしてみな逃げてしまったというのだから、アキレウスの姿とその名がいかに英雄士視されていたかがうかがわれましょう。
 

 ところが、こんなに強かったアキレウスも、敵将ヘクトルの葬式のためにトロイア軍に休戦を許したとき、ふとしたことからプリアモス王の娘ポリュクセネを見かけて心を奪われたのが運のつき。

 彼がポリュクセネに一目ぼれして、彼女をくれるならトロイア軍と和睦するようギリシャ軍のほうを尽力しようと、アポロン宮殿でその相談をしているところへ、トロイアの王子パリスが彼の踵をねらって毒矢をはなった。

 毒矢はみごと―いや不幸にもアキレウスの一番弱い足の踵に命中、ために英雄はついに落命した、というのです。
 ここから、アキレウ腱の名が出たという説が一つ。
 

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 それから、もうひとつの有名な説は、話はさかのぼりますが、名門の出だけあってプライドの高い巨神族出身のティティスは、アキレウスが生まれると、わが子を不死身の神にしようと目論んで、聖火の中へ幼いアキレウスを投げ込んで、清めようとしたのだといいます。
 

 ところが、かねてから妻の挙動に不審をもっていたペレウス(夫)はそれを見て、あわてて聖火の中から赤ん坊をひろい上げました。

これを見たティティスは怒ってそのまま実家(海神の火のところ)へ帰ってしまったが、夫のペレウスは、火傷した赤ん坊の足の踵をいやしてもらいに、近くの山に住んでいるケイロンという半人半馬族(上半身が人間で下半身が馬)の医術の大家のところへ駆け込みました。するとケイロンは自分の仲間で死んだばかりの馬人ダミュソスの脚の骨を抜き取って、赤ん坊の火傷した踵を、うまくつくろってくれました。

 ところが、この馬人ダミュソスというのは馬人仲間ではいちばん健脚だったから、アキレウスは生まれた直後からダミュソスの健脚をいただくことになったということです。また事実「イリアス」や伝説によると、アキレウスは「足が速い」英雄だったともいわれます。

 いずれにしても、またもっとも弱い部分―すなわちスチュクス河に母ティティスが浸け忘れた部分に、パリスの毒矢が当たって死んでしまったのです。
 

伝説であるとはいえ、なんという皮肉であることか!また同時に「アキレス腱」とは、何と適切な呼称であることか!

 世のアスリートたちよ、いかにアキレス腱に自信があるにしても、毒矢は射込まれなくないまでも、ひねったり犬にかみつかれたりするようなアキレウス的油断は禁物ですよ!

 もっとも見方をかえれば、アキレウスはトロイア軍のだまし討ちにあったわけですが―。

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