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胃袋の大きさ、腸の長さ?

   

            

「漢方ファンのページ」より

この頃の子供は、おませで、こましゃっくれている、とよくいわれる。

田舎の子供はどうか知らぬが、町中の子供は特にそうだと、よく耳にする。

 なぜだろうか。―いろんな理由が考えられるが、ともかく私も、町中の子供が、ひどくおませでこましゃっくれている、というか、大の大人も知らない、色々なことを知っているという事実に、このごろ一驚を喫した次第。

 

devilそこでいくつか例をあげてみたい。
 

★  ★  ★  ★  ★  ★

ある日、知り合いの医者の家を訪ねたところ、そこの子供さん(小学五、六年生の男の子)が、廊下で私をつかまえて、こんな事を尋くのだった。
 

 日本人の胃袋と西洋人の胃袋とどちらが大きいか?

 「おじちゃん、日本人の胃袋と西洋人の胃袋と、どちらが大きいか知っている?」

 驚いた。が、大人のメンツにかけても答えないわけにはいかない。

 「さあねェ、西洋人のほうが大きいんじゃない。体も日本人より大きいようだから」

 だが、大人のメンツは丸つぶれだった。その子供はこういったのだ。

 「ところが、日本人のほうが大きいんだ。どうしてかっていうと、日本人はガサの多い野菜やお米を食べるでしょ。だから大きいんだ。西洋人の胃袋は平均1.2リットルしかはいらないけど、日本人のは2リットルは入るって、本に書いてあったよ。おじちゃん知らないな」

 完全にまいった。まいったところへ、今度は・・・。
 

 腸の長さはどのくらいあるか?

 「じゃ、おじちゃん、人間の腸の長さは、どのくらいあるか知ってる?」

ときた。

 「そうね、昔ならったことはあるが、もう忘れた。たぶん6、7メートルあるんじゃない?」

 ところがこれも間違っていた。

 「おじちゃん、何にも知らないんだな。人間の小腸はそのぐらいだけど、大腸が1メートル50センチあるでしょ。だから全部でだいたい9メートル近いんだよ!」

 言われてみると弁解の余地はなかった。ところが、子供の“おじちゃんテスト”はまだ続いた。
 

 血液の流れの速さはどのくらいか?

 「じゃ、おじちゃん、こんどはわかる?人間の体の中を流れている血は、どのぐらいの速さでからだのなかを一周するか?」

 はて、弱った。ハタとつかえて思案していると、

 「おじちゃん、降参?」

ときた。

 「いや、降参なんかしないよ。そうだね、血が体の中を流れる速さといっても、血管の太さや、動脈か静脈かによって違うと思うけど、そうね、大体の見当でいうと、2,3分かかって、体の中を一回りするんじゃないかの・・・」

 「ヤーイだ。やっぱりおじちゃん知らないんだね。血が体の中を一回りする時間は、だいたい23秒で、1分間にだいたい3回めぐってるんだよ」

 「へえ!」

 もうあいた口がふさがらない。ポカンとしていると、子供はまだ、この馬鹿なおじちゃんをとっちめようというのだ。
 

 散歩したり木に登る魚があるか?

 「じゃおじちゃん、砂浜をお散歩したり、木にのぼる魚があると思うか?」

 「さあねえ、そんな魚はないだろう、空中を飛ぶトビウオは知っているが・・・」

と答えると、子供は自信満々たる表情で、

 「ところがあるんだ。水から出て砂浜をお散歩する魚はトビハゼっていう魚で、木にのぼる魚はインドの川にすんでいるアナバス、日本の名前でキノボリウオっていう魚さ。わかった?」

 「わかりました・・・」

 “おじちゃん”はもうアタマがあがらない。完全に降参である。

 

 「後世(こうせい)畏るべし」(論語)という言葉が、ふと頭に浮かぶ。
 

 ところが“おじちゃん”がとっちめられるのはまだ終わっていなかった。

 今度はそばで聞いていた、その子の妹(小学3年生ぐらい)の女の子が、いたずらっぽい顔をして、こういうのだった。

 「じゃあ、今度はあたしが問題だしていい?」

 「ああ、いいよ」

 先刻の男の子はともかく、よもやもっと小さいその妹の小娘に、とっちめられるはずもあるまいと思ったから、私は気軽に応じた。が、これがいけなかった。
 

 魚の寿命はどのくらいか?

 「じゃきくけど、お池や川に住んでいる鯉は、何年ぐらい生きているか、知っている?」

 さて弱った。考えてみたこともない問題だ。

 「そうね、10年ぐらいじゃないの?」

 「ハッハ。おかしい。47年だよ!」

 まいった。何ということだ。

 「じゃ、ナマズは何年生きているか?」

 「ナマズか、あのグロテスクな魚、6,7年ぐらいは生きてるだろう」

 「そうじゃない。外国のナマズは60年生きているのよ」

 「60年だって、じゃあ人間と同じくらいじゃないか。そんなことはないだろう。おじちゃんをからかっているんだな?」

 「からかってなんかいないよ。60年と、ちゃんと本に出ているんだもん」

 「なるほど、それじゃ間違いあるまい」

 連敗。しかも小学校3年生くらいの小娘に!
 

 コガネムシはふたつの頭のどちらにとまるか?

 「じゃおじちゃん、いーい、ここに二人のおじちゃんがいて、ひとりのおじちゃんの頭が禿げていて、もうひとりのおじちゃんの頭は毛がいっぱいあるとしたら、コガネムシはどちらのおじちゃんの頭にとまるか?」

 何という質問だ。人を馬鹿にするな、と思って私は答えた。

 「どちらにでもとまるさ。コガネムシは、そんなおじちゃんたちの頭のえり好みはしないよ」

 「ハハハ・・・。おじちゃん、ほんとに何も知らないのね。おかしい。コガネムシはね、夜に出歩く虫でしょ。そして光に集まるクセがあるでしょ。だからハゲ頭のおじちゃんにとまるのよ。どうしてかっていうと、ハゲ頭は光っているんだもん」

 勝手にしやがれ。だが、子供はおもしろがって、まだ私をいじめようというのだ。
 

 牛や犬は、なぜ人間のように汗を流さないか?

 「じゃ、牛や犬は、なぜ汗を流さないか、知っている?」

 「さァ、ねェ、そんなこと、牛や犬に聞かなきゃ、わからないね」

 「じゃ、降参?」

 もうわたしは完全に自信を喪失していた。

 「じゃ、教えてあげる・・・」

 “教えてあげる”―大人をとらえて何という言いぐさか、と一瞬思ったが、教えてもらう者の弱み、呆れた顔をして小娘“先生”に聞くよりほかはない。

 「あのね、本当は牛も犬も汗をかくの。どうしてかっていうとね、牛は長い舌を出してヨダレをだすでしょ。そのヨダレが牛の汗なの。そして犬は大きな口をあけてツバを出すでしょ。そのツバが犬の汗なの。そう本に書いてあったもん。そして犬も牛も、暑いときは大きな口をあくでしょ。あれは涼しい風を入れるためなのよ。わかった?」

 「ヘイ、わかりました」
 

 物の味は舌のどの部分でわかるか?

 「じゃ、これはどお?私たちがにがいものをたべるでしょ。その苦い味は舌のどこでわかるか?」

 「降参・・・」

 「じゃ教えてやる。にがいものは舌の奥でわかるの。そしてすっぱいものは奥の横。そして舌の先は甘いものがよくわかるけど、下の真ん中は、どんな味でも、あんまりわからないのよ。そう本に出ていたもん。わかった?」

 「ヘイ、わかりました」
 

 えらいおじさんは威張っていいか?

 「じゃ、最後にきくけど、いい?」

 「どうぞ、なんでもきいて下さい!」

 私は完全に絶望して投げやりに応えた。

 「じゃ、きくけど、世のなかにはえらいおじさんがいるでしょ。そういうおじさんは、いばっていいと思う?」

 こりゃまた、何という質問だ。

 「えらいおじさんは、少しは威張ってもいいさ。あんまり威張ると人に嫌われるけど」

 わたしは、大人の社会の常識を答えたつもりだ。ところが小娘先生いわく。

 「ちがうよ。えらいおじさんだって、いばるのはよくないのよ。どうしてかっていうと、えらいおじさんはいいおじさんでしょ。いいおじさんは、よくないことはしないはずだもん。偉人伝にそう書いてあったの」

 やられました。
 コテンコテンにやられました。そのとおり、そのとおり。汚職代議士にでもきかせてやりたい言葉だ。

 

 わたしは、いまでの子供たちに、頭を下げたい。「いまでの子供は・・・」と、よるとさわると慨嘆(がいたん)するむきもあるけど、それはそれこれはこれ、わたしはいまでの子供の一面に、大げさな表現をかりれば、ソクラテスの面影を見た感じである。

 ヨソのどこの子供さんも、おそらく以上二例と似たり寄ったりだろう。とすると、まさに
 「後世畏るべし」。

 ともかく、スクスクと育ってくれ、と念じたい気持ちである。そして大人たちを乗り越えて、立派な社会人となり、無知な親や先輩たちを軽蔑することのない「よい人」になってくれ、と祈らないではいられない。

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