お悩み別漢方

ストレスが原因の胃の痛み

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ストレスと胃腸痛

ストレスで胃腸が痛くなったことがありますか?精神的に参っている時に「胃が痛い」と表現するように、ストレスが胃腸に影響することはよく知られています。

 

ストレス性の胃腸痛の特徴

 

  • お腹、脇腹、胃などに張るような痛みがある
  • 痛むところが、一点ではなく、あちこち移動する
  • 無臭のげっぷやおなら、しゃっくりが多い
  • ため息が多い

ストレスは国民病?

 

漢方では、医食同源という考え方があり、普段から食事に薬膳などを取り入れることで、病気にならない食生活を心掛けます。

でも大抵の日本人は、食生活では便利さ手軽さを優先させてしまうため、ストレスや胃腸機能低下を予防することができていません。

その上、勤勉でまじめな性格と言われています。ストレスを溜めやすい国民性だと思います。

 

ストレスが原因の時の胃腸薬

ストレス性の胃腸痛の薬は何があるかと尋ねられたら、皆様は答えられますか?

西洋薬では、胃酸を抑える薬や胃粘膜保護薬、止瀉薬または便秘薬などになってしまいますが、これでは同時にストレスを軽減することはできません。

漢方には、今感じているストレスを軽くし、胃腸の働きを活発にする薬が沢山あります。

 

≪当店での症例≫

 

〇32歳男性

睡眠時間をかなり削るほどの激務が、1か月続いた。やや胃が痛くなったが、四六時中ではないうえ、他に問題もなかったので、そのままにしていた。ところが4日後になり、急に胃・左脇腹・背中など広範囲にわたって痛みだし、特に左脇腹はセメントで固められた感じの激痛が走った。右肩は落ち、真っ直ぐ立てず歩行も困難になった。病院に行ったが特に異常なく、マッサージ治療となった。マッサージ後痛みは軽減するが、なかなか完治しないので漢方薬を飲みたいとの事。本人は、ストレスもイライラも全くないと答えた。症状が軽減するのは、お風呂でゆっくりする時のみ。最近コーラを飲んでげっぷをするのが快感となり、普段より多く飲んでいた。

症状から、本人も気が付かないストレスの蓄積による痛みと判断し、逍遥散と柴胡疎肝湯を服用した。服用2日後に、脇腹の激痛が取れ真っ直ぐ立てるようになった。20日間ほど服用し完治した。

 

〇59歳男性

激しい腹痛と下痢。市販の下痢止めでは治らないと、奥様よりお電話があった。普段は家で靴下を履いてないが、今は履いていても足が冷たいと言う。身内のお葬式があり、精神的に疲れている。もう夜も遅いので自宅にある薬で治るのはないかとのこと。娘さんが、生理不順の漢方薬である当帰芍薬散を持っていたので飲んでいただいた。本人は、箱に記載されている月経痛という効能効果を読み、服用をためらったが、実際に飲んだところ、劇的に効いたとの事。

このように、女性の漢方薬として有名な当帰芍薬散は、足が冷え、ストレスが強い時の腹痛、下痢や過敏性大腸炎の類にも、老若男女を問わず効果があります。

 

ストレスは、胃腸症状以外にも、イライラや不安感・抑うつ・アルコールやギャンブル依存・気管支喘息・偏頭痛・高血圧などの様々な病気の原因となります。「病は気から」と言われるように、普段から、睡眠・食事・運動・休養などの健康管理を心掛け、ストレスを跳ね返せる抵抗力、免疫力を養うことが重要です。漢方薬は、ストレス性の胃腸痛にはとてもお勧めです。薬は体質によっても違いますので、是非ご相談ください。

 

 

新海薬局
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この記事の執筆者

新海薬局

薬剤師 丹沢 仁美
Hitomi Tanzawa

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